小児科だより
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小児科だよりでは、小児科の担当医師による、小児科に特化した豆知識やお知らせを掲載しています。
乳幼児健診を受けましょう
大人と違い、お子さんたちは常に成長しています。
- ・それは体の大きさはもちろん
- ・体の使い方がうまくなることや(細かいものを器用につまめるようになるとか、けんけんが出来るようになるとか)
- ・心が豊かになったり(人見知りをするようになったり、逆に人見知りが終わったり)
- ・他の人と上手に過ごせるようになったり(お母さんの指示にうまく従ったり、お母さんの顔色を見たり)
- ・赤ちゃんがすくすく大きくなっているか(生後1か月~1才6か月)
- ・上手に遊べるようになっているか(1才6か月~5才)
- ・他の人と上手にコミュニケーションがとれるようになっているか(3~5才)
- ・幸せに学校生活をおくる準備が出来ているか(5才)
お子さんの成長にはそれぞれの時期にそれぞれの『カギ』があります。当院小児科では、これらのことをお父さんお母さんと一緒に確認することはもちろん、それぞれのお子さんの幸せな生活のためにどうしていったらいいか、一緒に考えていきます。軽い心配事、ちょっとした育てにくさのことなど、お子さんの病気、成長、発達に関するあらゆることについて、お気軽にご相談ください。
予防接種をうけましょう!
もし自分の子どもが予防できるはずだった病気に感染した時、たまたま重症化して命を落としたり、重い後遺症で苦しんだりしたら…日本では毎年のように多くの子どもたちが、予防接種で防げるはずだった病気にかかって、その大切な命を落としています。とても悲しいことです。また、お子さんがインフルエンザやロタウイルスの感染症にかかり入院となったら、知らないうちにB型肝炎になってしまったら…お子さんはもちろんのこと、ご家族の心労も多大なものとなることでしょう。そしてあらゆる事で家計への影響が大きくなることはもちろん、入院の付きそい、仕事を休むことなど、お子さんが病気になることでご家族は多大な負担をせおうこととなります。また家族、兄弟姉妹にうつると、2倍3倍の負担となりますね。その病気にかからない、かかったとしてもできる限り軽くすむようにする。そしてお子さんとご家族が最大限幸せにすごす。それを実現するのが予防接種です。あなたの大切な赤ちゃん、お子さんにワクチンをしましょう。
- ワクチンで防げる・軽症となる 病気
- ワクチン名
- 肺炎球菌感染症(細菌性髄膜炎)
- 小児用肺炎球菌ワクチン
- ヒブ感染症(細菌性髄膜炎)
- ヒブワクチン
- ロタウイルスによる急性胃腸炎
- ロタウイルスワクチン
- B型肝炎(肝臓がん)
- B型肝炎ワクチン
- ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ
- 四種混合ワクチン
- ジフテリア・破傷風
- 二種混合ワクチン
- 結核
- BCGワクチン
- 麻しん(はしか)、風しん
- MR(麻しん風しん混合)ワクチン
- 水ぼうそう(水痘)
- 水ぼうそう(水痘)ワクチン
- おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
- おたふくかぜワクチン(有料)
- インフルエンザ
- インフルエンザワクチン(有料)
- 日本脳炎
- 日本脳炎ワクチン
- 子宮頸がん
- 子宮頸がんワクチン
予防接種料金一覧
定期接種期間内であれば無料で接種することができます。
- 四種混合ワクチン
- ¥11,530
- 二種混合ワクチン
- ¥4,530
- MR(麻しん風しん混合)ワクチン
- ¥12,210
- ヒブワクチン
- ¥8,720
- 小児用肺炎球菌ワクチン
- ¥11,250
- 水ぼうそう(水痘)ワクチン
- ¥9,220
- 日本脳炎ワクチン
- 3歳未満:¥8,450
3歳〜6歳未満:¥7,490
6歳以上:¥7,400
- B型肝炎ワクチン
- ¥7,070
- 子宮頸がんワクチン
- 9価:¥26,280
2価、4価:¥16,380
任意のワクチン
- おたふくかぜワクチン
- 札幌市内の3歳未満のお子様の1回目 2,280円(3,000円助成)
- 不活化ポリオ
- ¥9,910
ワクチンコラム
- 1 . 「生後2か月の誕生日」が「ワクチンデビューの日」?
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赤ちゃんは感染症にとても弱く、ひとたびかかってしまうと重症化しやすく入院が必要になったり、命にかかわったりする場合があります。人混みの中に出る機会が増える時期となる前にワクチンで十分な免疫をつけておくことが大切です。特にヒブ、肺炎球菌、ロタウイルス、B型肝炎ウイルス、百日せき菌による感染症は生後6か月になるまでに、必要な接種回数を済ませておきましょう。
生後2ヶ月で接種できるワクチン
B型肝炎ワクチン
肺炎球菌ワクチン
ヒブワクチン
4種混合ワクチン
ロタウイルスワクチン
当院小児科では、1か月健診の時に、赤ちゃんたちにとってもっとも理想的な、生後2か月からのワクチンスタートについてお伝えしています。お気軽にご相談下さいね。
- 2 . 同時接種は必要?
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安全に、1度に複数の免疫をつけられる、ワクチンの同時接種をおすすめします。(もちろん1種類ずつの接種もご相談にのります)
赤ちゃんが生後5〜6か月になると、ヒブや肺炎球菌による細菌性髄膜炎にかかる子供が増えてきます。その頃からロタウイルスの急性胃腸炎も増えます。つまりこれらの病気を防ぐためには、生後6か月くらいまでにヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの初回3回の接種、またロタウイルスワクチン2回を済ませておくことが大切です。 さらに、4種混合ワクチン、B型肝炎ワクチンを3回接種しておくことが大切です
- 3 . 同時接種は安全?効果は?
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複数のワクチンを同時接種することは、なんとなく、赤ちゃんの身体に負担がかかったりするのでは?と心配になる方もおられますよね?
現在、1種類ずつ接種することと同時接種では、安全性も効果も変わらないことが確認されわかっています。たくさんのワクチンの効果を最大限に発揮させるため世界中で同時接種が行われているのです。実は10年以上前から、日本よりずっと先に、世界中のあらゆる人種や民族の子ども達に対して同時接種が行われています。実際問題として、長い間世界中で使用されて問題が起こってないことが安全の証拠(エビデンス)です。
また赤ちゃんへの負担はほぼ問題ありません。まず、1回の受診で注射が増えますのでかわいそうと感じられますよね。しかし、トータルの注射の本数は1種類ずつの接種と同じですし、また接種した場所の腫れや発熱の割合も、1種類ずつの接種と変わらないことがわかっています。そして、同時接種を受けられたお子さんの保護者のほとんどが、次回も同時接種を希望されます。組み合わせや本数にも制限はありません。どんな組み合わせでも、接種年齢になっていれば可能です。
(1)定期接種のワクチンと任意接種のワクチン、
(2)不活化ワクチンと生ワクチン、
(3)生ワクチンと生ワクチン、
(4)注射と飲むタイプのワクチン(1)〜(4)の全ての組み合わせでも、安全に同時接種ができます。欧米では生後2か月では6本のワクチンが同時接種されています。米国では、1歳の時に、インフルエンザワクチンまで含めて最大9種類のワクチンが同時に接種されることもあります。つまり、同時接種は必要であり安全で効果的といえます。ご安心下さい。
当院でのワクチン接種について
当院の小児科外来では、各種定期・任意予防接種を実施しています。
予防接種のスケジュールについて
複雑になった予防接種のスケジュール。いったい何を接種すればいいのか分からないパパママの為に、外来看護師がお子さんに合ったスケジュールをご案内しています。お気軽にご相談ください。
※ 予防接種に関するお問い合わせは小児科外来看護師までお願いいたします。
当院小児科では、赤ちゃんの1ヶ月健診をはじめ、母子手帳に記載されている月令での乳幼児健診を随時受け付けています。母子手帳をご覧ください。市町村で行われる健診のスケジュールのほかにも、健診の結果を記録するためのページがありますね。具体的には、生後1か月、3〜4か月、6〜7か月、9〜10か月、1才、1才6か月、2才、3才、4才、5才、6才。これらの月令・年令は『キーエイジ』といって、例えばおすわりができるようになるとか、アンヨができるようになるとか、またはお名前をいえるとか、ほかの子と一緒に遊べるとか、発育・発達していく赤ちゃんやお子さんをみる上で、『カギ』となる月令・年令です。